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第3話 15番ホールのパーパット




先にパーパットを沈められて
しまったので、

爺は 何が何でも入れなくては
ならなくなりました。

80cmという距離は 
いわゆる
「入れごろ、外しごろ」
の距離です。

真っ直ぐなラインなら簡単ですが
どう見ても 1カップスライス
するように見えます。
曲がるラインは
 強さと方向の両方が合わなければ
     カップインしません。

      ここで、去年のクラブ選手権決勝の苦い思い出が頭をよぎりました。               
  
1ダウンで迎えた14番ショート、爺は1オンに成功しましたが、山中氏は右ラフ。           
                        ようし、ここでマッチイーブンにできる!                           
        と、思ったものの、爺は下りのラインを大オーバーして3パットのボギー!            
     山中氏は アプローチをカップの横3mにつけ、なんとこれを1パットで沈めてパー!       
  ショートホールでグリーンに乗せたものがボギーになり、ラフに外したものがパーセーブするなんて!   
                                                   
  
2ダウンとなった、次の15番ホールでも、山中氏に先にパーパットを沈められ             
           爺が「入れごろ、外しごろ」のパーパットを外してボギーとしてしまい
3ダウン!   
  
ドーミーホールとなった16番ショートでは、ナイスオンした山中氏に対して              
           力んだ爺は左にOBを出してしまい
4−2でRunner Up(準優勝)となったのです        

  ようするに、去年は爺が自分で一番得意と思っているパットで失敗して負けたのです。

        決勝を前にしたある日、長さんが「最後に勝負を決めるのはパットですよ。」

             と、言ってくれたのに、自信があったばかりにおろそかにしていました。

あれから1年、
 「去年の二の舞はしないぞ。」「めちゃくちゃ上手くなったんねん。」と、

負けた悔しさをバネに、ラウンドで疲れた日は除いて、

毎日欠かさず 朝と夜の2回 パター練習をしてきました。

そういえば、「毎日」の習慣を崩したくなくて、
家内と行った還暦・退職記念のフランス旅行にも
パターマットとパターを持って行きホテルの床で練習をしていました。

    また、ついつい楽をしてしまいそうな自分を奮い立たせるために、

              「継続は力なり」という標語の垂れ幕を作って部屋に貼りました。

   クラブ選手権が近づいてきた7月ごろからは、カレンダーの日をマジックで消し、

         「あと、○○日」と気合を入れてきました・・・・

     去年の自分とは違う! やれるだけのことはやってきた!
         このパットは、入る! 必ず、入る!
と、信じて打ったボールは 
読み通り1カップ分スライスしながら見事カップインしてくれたのです。
                                             まだつづく

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